君がお望みなら僕はいつだって感傷的な昔語りを

僕が教室から走って抜け出したあとに教室が縦になって
中にいた人を石ころのように上下にふって落としてしまう空想
お前たちは要らない子なんだよ
僕は銀杏の木が大嫌いだ
皆さんで育てましょう
あなたをお父さんとお母さんが大切に育てたように
出た芽を悉く摘んでいくようにしていたら後ろからぶたれました

実に！
この調味料は癖になるよ
人生全体にふりかけて頭から飲み込んでしまおう
苦くて苦くて癖になるよ
上下にふってかけて
ねじって削るんだ本当は塊なんだけどね
イヤいやみんな
みんな
みんなが見てる
僕のお皿だけ空っぽだから
そうじゃないかお前はさ要らない子なんだよ
僕は僕は銀杏の木が大嫌いだ
いやらしいこんなの癖になるよ
このミシン目を
空に薄くプリントされた僕の両手が見える

実に！
この調味料は癖になるよ
人生全体にふりかけて頭から飲み込んでしまおう
苦くて苦くて癖になるよ
上下にふってかけて
ねじって削るんだ本当は塊なんだけどね
みんなみんなみんなが見てる
眩いばかりだろうが僕の恍惚！
窓の外ばかり眺めていたら
あっという間に水溜りができてね僕は飛び込んだんだ
クローゼットの中にはなんと痛々しく奇声あげたり爪剥けた痕とか
こびりついていてくれなくちゃね

ええ、何気ない秒針の音！
うわあなんて可哀想なんだろう
僕のお皿だけいつも空っぽだから
僕のお皿だけがいつも余分だから
早く早くはやく逃げなくちゃいけないのに
馬鹿だなあ泣いてばかりいるとまた虐められるよ
桜の老木錆付いた裏門から僕は上履きのまま
笑って家に帰るとまたひどく叱られる